「寝ている間や、カーペットやソファで過ごした後など、気づいたらダニに刺されていた。」そんな経験はありませんか?
『ダニに刺されたら、どうしたらいいんだっけ?』そう思われた方必見の、ダニ刺されの治し方についてご紹介します。

目次
人を刺すダニとは

「ダニ=人を刺す」というイメージがありますが、実はすべてのダニが人を刺すわけではありません。
まずは、人を刺すダニの種類と、ダニに刺された痕の見分け方について解説していきます。
人を刺すダニは3種類
日本だけでなく、世界には多種多様なダニが存在しますが、日本において人を刺すダニは3種類います。
このうち、ツメダニとイエダニは屋内で、マダニは屋外で生息しています。
ツメダニ
体長0,3~1,0㎜程度の小さなダニ。
梅雨ごろから精力的に活動し、夏場に被害が増えます。
カーペットや畳、布団などに多く生息するため寝ている間に刺されることも多いのが特徴です。
イエダニ
体長0,6~1,0㎜程度の大きさで、ネズミや鳥などに寄生するダニです。
5月ころから発生し、梅雨~夏場の時期に被害が増えます。
脇腹や下腹部、太ももの内側など、人の肌の柔らかい部分を狙って刺し、血を吸います。
マダニ
体長2~5mmの比較的大きなダニで、屋外に生息しています。
野生動物に寄生したり、草むらなどで人に取り付き血を吸います。
刺されても痛みなどはなく、気づかないことも多くあります。
万が一、気づいた場合にも、血を吸っている最中に引き抜くのは厳禁!マダニの頭部が体内に残ると、炎症を引き起こす可能性があります。
血を吸い終わると自然と肌から脱落するものの、基本的には専門医を受診しましょう。皮膚ごと除去する手術を受けるか、あるいは、マダニ除去器具で除去できる場合もあります。
ダニに刺された跡の見分け方
ダニに刺されたことがない方は、ダニは刺すものと思っていても、どの状態をみてダニに刺されたと判断すればいいのか分からないでしょう。
もしかすると、何らかの症状があっても、蚊やブヨに刺されたか、あせもや蕁麻疹などかと思うかもしれません。
分かりやすい特徴が、ダニに刺されると、歯形が2カ所残る点です。
横に並んだ2つの痕があるのであれば、ダニに刺されたと判断しましょう。
ダニに刺された時の治し方

あせもや蕁麻疹ではなく、ダニに刺されたことが明確な場合には、専用の薬や治療が必要となります。
治し方について詳しくみてみましょう。
ダニ刺されはステロイドで治療
イエダニやツメダニに刺された場合には、ステロイド外用薬で治療します。
ステロイド外用薬には効果の強さ・副反応で分類されています。
- 最も強い:strongest
- とても強い:very strong
- 強い:strong
- 普通:medium
- 弱い:weak
引用:ステロイド外用剤が基本?湿疹・皮膚炎に用いられる治療薬を解説
子どもが刺された場合には副反応の観点からあまり強いものではなくなるべく弱いものを使用しましょう。
ただし、炎症が強い場合や、マダニに刺された場合には自己判断ではなく専門医を受診しましょう。
痒みを抑える薬
アレルギー体質で、特に強い痒みを感じる人や、ダニ刺されの痒みが強い場合には痒みを抑える飲み薬が処方されます。
化膿した場合の塗り薬
あまりに痒みが強く、掻きこわしてしまうと、刺された部位に細菌が入り、炎症を起こすことも。
化膿した場合には、ステロイド薬を塗ると悪化する危険性があるため、まずは抗生剤で炎症を抑える治療が必要です。
専門医を受診する場合
ダニに刺されて専門医を受診する場合には、皮膚科や外科で治療を受けましょう。
自己判断で終わらせずに受診すべきケースをみてみましょう。
ダニに刺されたかどうかが分からないとき
ダニに刺された痕かどうかがはっきりと判別できないときは、受診しましょう。
たとえば、ダニに刺された痒みは蚊に刺された痒みと大きな違いはありません。
ただし、すぐに痒みを感じる蚊に刺された痒みとは違い、ダニは翌日以降に感じることが多いようです。
『蚊なのかな?ダニ?あるいはあせも…?』とよくわからない場合には、念のため受診することをおすすめします。
腫れ・痒みが強いとき
強い腫れや痒みがあるときは、強い薬が必要となります。
腫れや痒みを我慢しているうちに症状が悪化する、あるいは痒みから掻き壊すかもしれません。
特殊なダニによる被害を疑う場合
刺したのがマダニや疥癬である場合、抗生剤の投与や専用の駆除薬など、早急な治療が必要となります。
マダニに刺された場合には、マダニの口器が皮膚内に残ることもあり、塗り薬では対処できません。
また、疥癬の場合にはステロイド剤が逆効果となるので要注意!
自分では治療できないので、必ず専門医に相談しましょう。
ダニ被害に悩まされない!ダニ予防法

ダニに刺されると、痒みや痛み、腫れなど様々な被害があります。
でも、私たちの生活のあちこちにダニが生息していて100%ダニとかかわらない生活は困難です。
ダニ被害を避けるために、日頃からダニ予防法を取り入れておきましょう。

ダニが繁殖しやすい環境を避ける
ダニが繁殖しやすい環境要素がこちら。
- エサが豊富
- 温度25%以上
- 湿度60%以上
高温多湿な日本の環境はダニにとって格好の生息地であることが分かります。
さらに、ダニは食材だけでなく髪の毛や皮膚、ホコリにいたるまですべてがご馳走となることから、どこでも生息可能ということになります。
室内の場合には、1日1回は掃除機をかけて部屋を清潔にし、1日数回換気をして空気を入れ替えましょう。
ダニ駆除アイテムを取り入れる
室内に潜むダニは、部屋中に生息しています。
上記に挙げたダニが好む環境を作り出さないことも重要ですが、プラスαとしてダニ駆除アイテムを取り入れましょう。
たとえば、燻煙剤で部屋中まるごとダニ駆除対策をしたり、布団やカーペットなどの平面にはダニ取りシート、ぬいぐるみや立体のものにはスプレー型を使用したり、と、場所に合わせてうまく組み合わせると、効果的です。
屋外へは長袖・長ズボンを着用
木や草の多い屋外に外出時は、肌の露出を避け、長袖・長ズボンを着用してダニが肌に触れない状態にしましょう。
また、野生の動物や鳥類にダニがくっついている可能性もあるため、なるべく接触を控えることをおすすめします。
正しい治療法でダニ刺されの痛み・痒みとお別れ
ダニは、知らないうちに皮膚を刺し、痛みや痒み、腫れなどの症状を引き起こします。
症状が軽い場合には、1~2時間で痒みは収まりますが、アレルギー反応が強い人や長期間にわたって痒み・痛みが続くタイプの人もいます。
適切な処置・治療薬で、ダニ刺されの不快さとお別れしましょう。