高温多湿な環境である日本は屋内外を問わずいたるところにダニが生息しています。
特に夏が近づくとBBQをしたり公園で遊んだりと屋外で行われるイベントや時間が増えることで『ダニに刺された…!』といった皮膚トラブルの可能性も急増するので要注意!
ダニに刺された時にステロイドを使った治療法に加え、ダニ被害を未然に防ぐ方法についても詳しく解説します。
目次
人を刺すダニの種類
ダニというと、人を刺すイメージをお持ちの方も多いでしょう。
でも、実はすべてのダニが人を刺すわけではなく、日本国内に生息するダニの中で人を刺すのは以下の3種類と言われています。
- ツメダニ
- イエダニ
- マダニ
まずはそれぞれの特徴と、刺された際の症状についてご紹介します。
ダニ退治隊ではダニに刺されやすい人の特徴をまとめた記事も公開しています。思い当たる節がある人は下記の記事も合わせてチェックしてみてください。
関連記事:ダニによく刺される理由とは?刺されやすい人の特徴や発生条件,症状,対処法を紹介!
ツメダニ
ツメダニは、体長0,3~1,0㎜ほどの小さなダニで屋内や家の中に生息します。
吸血はしないものの、間違って人を刺し体液を吸うことがあります。
被害が多い時期は6~9月、布団や畳などに触れている部分が刺されやすいことから就寝中に被害を受ける人が多くみられます。
刺された際には自覚症状はなく、翌日以降に「赤み」や「痒み」などの症状が現れます。
痒みが長期間続くことが特徴の一つ。
イエダニ
イエダニは吸血性のダニで、体長は0,6~1,0㎜ほど。
ネズミや鳥類の体に寄生したり巣に生息していることが多いものの、人も吸血することがあります。
6~9月の被害が多く、身体の中でも皮膚が柔らかい部位を狙って刺します。
- 二の腕
- お腹
- 太もも
- わきの下
ツメダニとは異なり、刺されてすぐに痒みや赤みなどの症状が現れます。
吸血を通して感染症を媒介することもある点が非常に厄介なダニです。
マダニ
野外に住むマダニは、体長3~10㎜の大きなダニです。
屋内に生息するダニとは異なり、大型なので目視も可能です。ダニとマダニの違いについては、こちらの記事(ダニとマダニの違いとは?生息地や症状,刺されたときの注意点も徹底解説!)も合わせてチェック!
山や林、草むらや樹木、河川敷などに生息し野生動物に寄生しますが、人の肌にも取り付いて吸血します。
太ももや陰部、脇腹など体を移動して吸血し、その期間は約7日間!
その後、満腹になったら体が風船のように膨らみ、自然と脱落します。
マダニに刺されているのに気づかないのは、ダニの性質が関係しています。
マダニの唾液には「麻酔用物質」が含まれていることもあり、吸血されている間の自覚症状を感じづらいのが特徴です。
ただし、脱落後には灼熱間や痛みなどといった症状が残ることも。
また、吸血を介して「日本紅斑熱」「ライム病」「ダニ媒介性脳炎」「重症熱性血小板減少症候群」などといった感染症を媒体することもあり、厚生労働省からも注意喚起されています。
ダニに刺されたら?ステロイド剤を使った治療法
屋内外のダニに刺され際の症状には痒みや赤みなどがありますが、強い症状が現れるケースも少なくありません。
いきなり刺されると、対処に悩んでしまいますが、そのまま放っておくと症状が悪化することもあるため早めの対処が重要です。
刺された際の対処法と、ステロイド剤について解説します。
ダニに刺された際の対処法
ダニに刺されたことに気づいたときに、どう対処したらいいか分からない方の声も多くあります。
痒みであれば、蚊と同じように感じるかもしれませんが、蚊に刺されるのとダニに刺されるのとでは対処が異なります。
ダニに刺された際に慌てることのないよう、あらかじめ対処法について知っておくと安心ですね。
屋内のダニに刺された際の対処法
その際適切な対処をしないで放置すると掻き壊してしまったり、色素沈着してしまうことも…。
ダニによる症状を出来るだけ早く抑えるためには、早めにステロイド剤を使うことが重要です。
ステロイド剤には、痒みや赤みの原因である炎症を抑える作用があります。
- ベタメタゾン吉草酸エステル
- ヒドロコルチゾン酪酸エステル
- デキサメタゾン酢酸エステル
また、既に掻き壊してしまった虫刺されには抗生物質が含まれたステロイド剤が効果的!
患部にステロイド剤をしっかり塗れば、2~3日で症状が着きます。
ただし、炎症による痛みや痒みが強い場合や、広範囲にわたって症状が出ている場合などは自己解決するのではなく専門医を受診しましょう。
屋外のダニ(マダニ)に刺された際の対処法
既にダニが脱落した後の痒みや赤みであれば、屋内のダニと同様ステロイド剤を使った対処で症状を抑えましょう。
マダニの場合、注意すべきは「吸血中の対処法」です。
吸血中のマダニを潰したり無理に剥がすなどすると、体液が逆流したり口部分が皮膚に残る可能性があるため非常に危険!
刺されていることに気づいたら、無理に対処せず病院で処置をうけましょう。
ステロイド剤はどこで購入できる?
ダニ刺されに効果的なステロイド剤ですが、皮膚科など専門医を受診すれば処方してもらうことも可能です。
でも、「病院に行くほどではない」「病院は面倒…」といった方は、市販のものもあるのでご安心ください。
ドラッグストアではステロイド剤の商品が多数販売されています。
どれを買えばいいのか分からない場合には、薬剤師か医薬品の登録販売者に症状を説明すれば適切なステロイド剤を教えてくれますよ。
ダニ刺されの痕は改善できる?
ダニに刺されたことによる痒みなどで掻き壊してしまった場合、痕となって残ってしまうこともあります。
ダニに刺された場合、早い段階でステロイド剤を使って症状を和らげることが重要ですが、気づくのが遅れてしまったり、何を塗ればいいか分からず処置が遅れてしまうこともあるでしょう。
ダニに刺された痕を改善したい場合には、皮膚のターンオーバーを促進させる効果のある薬を使用しましょう。
ヘパリン類似物質やアラントインなどを使えば、傷ついた皮膚を正常の状態に近づける効果を期待できます。
すぐには治りません。時間をかけて根気よく薬を塗ることが重要です。
ダニの被害を防ぐための予防法
ダニの被害は、対処法はもちろんのこと被害を未然に防ぐための予防も重要です。
屋内外それぞれのダニ予防法をマスターして被害を防ぎましょう。
屋内のダニ被害予防法
屋内のダニの場合、就寝中や横になっているときなど気づかないうちに刺されていることが大半です。
肉眼で見えないことも、存在や被害に気づけない要因の一つ。
「いつ襲われるか分からない」という意識で常に対策が必要です。
まずダニのエサであるホコリや皮膚、髪の毛などが室内に残ることのないよう掃除をしましょう。
また、ダニの高温多湿を好む性質を活かしてこまめな換気や湿度対策で環境を作ることも重要です。
マットレスやソファー、畳などダニが生息している可能性がある場所にはダニ専用アイテムで駆除しましょう。
- 燻煙剤
- シート型
- スプレー型
- ミスト型
用途やご家庭の事情に合わせて適宜使い分けましょう。
屋外のダニ被害予防法
屋外のダニ被害を予防する一番の方法は露出を抑えることです。
ダニが生息している可能性のある山や草むら、河川敷に行く場合には肌が露出した服装は避け、半そで・短パンやサンダルはNG!
スニーカーや長袖を羽織るなど工夫しましょう。
また、ダニが生息しているかもしれない場所にいった場合にはたとえ症状がなくとも衣類や上着を家内に持ち込ないようにすることが重要です。
帰宅後はすぐに衣類を脱ぎ、お風呂で洗い流して刺されている場所がないかどうかをチェックしましょう。
ダニ刺されにはステロイド剤が効果的!普段からの予防法で体を守ろう
ダニはいたるところに生息していて、刺されていることに気づかず症状が出て初めて気づくことが多くあります。
痒みや赤みなどダニ刺されの症状があったら、我慢せずステロイド剤を使用しましょう。
ただし、症状が強いケースやマダニに刺された場合には自己判断でなく専門医を受診することをおススメします。
合わせて普段からダニに刺されない工夫や予防法で体を守る意識で過ごしましょう!